信念があったわけでも好きな作品があったわけでもない
普通に働きたくないなと思ってたからや
中高と漫画に青春を費やた
別にブ男ややりたいこともなかっただけやが
大学生のときに賞に送って、受賞こそせえへんかったけどとあるマイナー雑誌で拾い上げ
ャンスやと思って大学をやめた
引用元: ・ワイが漫画家の道を諦めた話
漫画家アシとンビニアルバイトの往復
編集は安くでこき使えるアシがほかっただけちゃうんか?と思ってまう
ワイは悔かった、大学もやめたから後には退けんかった
睡眠時間とかホンマに絞って、売れ筋漫画徹底的に読み込んで模写て、理論書を読み漁って、ネットで漁れる売上データからトレンドを考える日々やった
編集の●な戯言にも付き合って、編集の考えと編集会議の考えと編集長の考えに乖離があることも見抜いた
その上で全員納得させる対策の企画を立てることにた
滅茶苦茶考え抜いて、これならまず担当も会議も編集長も納得させられるというものを思い付いた
ただ、漫画家やアシ仲間に話たら全く理解されへんかった
「そんなん描いて楽いんか?それホンマに描きたいんか?」って
ワイはとにかく漫画家にならなアカンねんから、そんなもん二の次やろって笑い飛ばた
ただなんとなく、なんか皆がいつもより冷たいなと思っとった
ワイは素直に嬉かった
でもなんと会議での評判はボロカスやった
ワイは信じられんかった
編集も散々持ち上げてたくせに「まあこうなりますよね」って賢げな感じ
ワイは担当を信じてなかったから、編集で会議でのアプローの指示までとったんや
そこでヘマされたんちゃうんかと疑っとった
でも何がアカンかったのか、すぐに思い知らされることになった
頭の中が真っ白になった気分やった
散々意味わからん理屈で売れ筋魔改造た要素くっ付けて台無にてきた連中が何を言ってるんや?って
アシ仲間からもそらそうよ、考え直せ、みたいな空気
ワイは意味が分からんかった
こんなんどうたらええねん
ンビニバイトと意味あるんかないんかわからん編集会議の打ち合わせと没ネーム
ワイは空いた時間でpixivやTwitterに手を出すようになって、仕事は取れんけどまあそれなりには人に見られるようになった
ワイは居心地のいい生温い言葉の飛び交うネットの世界にどんどん依存ていくようになった
どんどん減っていく貯金
どんどん減っていくワイの精神、やる気、情熱
合間合間にオリジナルの作品小出にて数が溜まったらpixivとかに見やすいように纏めるん
数字さえ付けばあとは勝手にどこかから声がかかる
このースじゃいかんのか?既に人目についてる人を誘う以上ハズレ編集に引っかかる率は下がりそうやが
アダルトンテンツのイラスト製作協力が主や
あんまり成果はでえへんかったけど、なんやワイの理論を聞いてえらいワイを買ってくれる人物が現れた
先に言うておくとこの出会いがよくなかった
実名で活動とったけど、あとで知ったことにそれは偽名やった
仮にここではそいつをエックスとておく
これで大た事ないマンガだと分かるな
つか、働きたくないと言いつつまともに働くより過酷な道を選んでるのが●過ぎる
なんJ絵師みんな●えた思たけど生きてたんやな
海外向けのものばっかりやったけどな
裏で企業が噛んでるYoutubeャンネルのイラストの製作協力とか、暗号資産やブロックェーンの広報用イラストとかや
正直胡散臭かったけど、ワイの才能を認めてくれた唯一の人物やった
特別支払いがええわけでもなかったけど、アルバイトよりはまあよかった、イラストの仕事なのが嬉かった
ことあるごとにワイ君は天才や、漫画界は見る目がない、今はネや実績を作るための下積みやって、口癖のようにワイに言うとった
ただそこが地獄の始まりやったんやね
なんJ民にお前なら漫画家になれる!と言われ続けて退学てまで漫画家目指そうとた男の末路や
それじゃただの●じゃん
おいマジか
静かに聞いてたワイはどうたら良いねん
もうつまんないもん、俺たちが聞きたいのは漫画家の話であってお前の人生じゃないねん
やっぱ才能ないわ
スーツを着た五十歳前後の貫禄ある男性ばかりが出入りとったんや
よれよれのシャツ姿のワイは酷くその場で浮いとった、珍獣でも見るかのような視線をぶつけられた
声を掛けて来てくれたのは長身の女の人やった
その人も品のいいスーツを纏っとった
えらく丁寧でなんなんやと思っとったら、彼女がエックスやったんや
ワイはエックスをずっと陽気な中年の男やと思ってたけど、全部嘘やったわけやな
この時点で明らかにおかいわけや、ワイは遅くてもここで逃げるべきやったんやろうな
でもワイはエックスと対面た時点で、ワイの知らん何かが起きる、夢のある世界が開けるんちゃうかと思ってまったんや
すまん